2019.1.9
堀田文一
2024年に大阪カジノを開業する準備を維新府政が進めています。
大阪に予定されているカジノはアメリカ式賭博場です。賭博は①人から財産を奪う犯罪です。強盗は暴力的に盗る。窃盗は人の目を盗んで取る。詐欺はだまして盗る。賭博は人を誑かして盗るなど、盗り方にはいろいろありますが、賭博が人から財産を盗る犯罪であることに違いはありません。
賭博の場合、客が儲かる場合があるとか、客が任意に賭博に参加しているとか称して、盗る犯罪であることがわかりにくくなっています。しかし、賭博は、胴元が控除率や大数の法則に守られて、必ず儲かります。客は必ず損をします。だからアメリカのカジノ業者が大阪カジノに1兆円を投資するとか言って食指を動かしているのです。
賭博は、②客をギャンブル依存症という病気にかからせる犯罪です。ギャンブル依存症は本人を破綻させるだけでなく、家庭崩壊、窃盗・強盗などの犯罪も誘発させます。
賭博は、③まじめに働くより博打の方が儲かる、人の金を無断で拝借しても、後で博打に買って返したら問題はないというモラル崩壊を引き起こします。
賭博はこの①②③の不都合を招きますから、犯罪です。日本では持統天皇の御代(1329年前)から禁止され、今でも刑法によって処罰の対象となっています。
ところが昨年7月、国会で自民・維新・公明の賛成により、IR(総合レジャーセンター+国際会議場+ホテル)の中ならカジノを認めるカジノ実施法ができました。IRの中なら、賭博の犯罪性が薄まるわけではありません。逆にIRの中のカジノは、24時間営業で、客から反省する機会を奪い、賭博場が負け客に金を貸して、客を深みにはまらせる仕組みが組み込まれています。賭博の持つ犯罪性を、さらに増幅させるものです。
こんな違法性の高いカジノが、地域経済の振興とか、財政に寄与、雇用の拡大、国際観光の振興などの理由で合法化されました。しかし、庶民を家族ぐるみでIRに呼び込み、子どもが寝静まったころに大人を博打場に誘い、金を巻き上げるカジノでは、大阪の消費を冷え込ませるだけで、大阪経済の振興になりません。
日本の文化、歴史、日本食、山紫水明の景観に魅力を感じて訪日外国人が急増していますが、カジノで外国人からお金を巻き上げたのでは、日本の値打ちが下がるだけです。
各種の世論調査では、カジノ反対の声が賛成を上回っています。ところが大阪府議会ではカジノ賛成議員が、全体の90%以上を占めています。民意と議会構成に大きなねじれがあります。
そこで私は、大阪カジノに反対する市民の会を作り、カジノに反対する世論を大きく、強くする市民運動を始めました。カジノに反対する議員を大きく増やすことも運動の狙いです。間もなく一斉地方選挙で、正念場です。ご協力を心からお願いします。