カジノ誘致計画について説明を求める要望書

2018年10月25日、大阪府知事に対して「カジノ誘致計画について説明を求める要望書」を提出しました。

12月4日には、大阪府・大阪市IR推進局推進課との面談を以下の通り行います。

1 団体名 大阪カジノに反対する市民の会
2 日時 平成30年12月4日(火曜日) 10時00分から11時00分まで
3 場所 大阪府咲洲庁舎 41階 共用会議室7
4 要望文書名 カジノ誘致計画について説明を求める要望書
※一般の方は傍聴できません。

大阪府知事 松井一郎 殿

2018年10月25日
大阪カジノに反対する市民の会
代表 西澤 信善

カジノ誘致計画について説明を求める要望書

時下、ますますご清栄に府政の重責を全うされておられますこと、大慶に存じます。
さて、大阪府におかれましては、従来からカジノを含む統合型リゾートの誘致計画(以下カジノ誘致と略す)を進めておられ、現在事業者選定のための第3者委員会を発足される段階であると認識しております。
一方、カジノは、ギャンブル依存症という社会的マイナス現象を増大させ、大阪の伝統産業や文化に負の経済的影響をもたらす懸念があり、府民の多数もカジノ誘致に関しては反対乃至は消極的であります。加えて、候補地である夢洲は現在も埋め立て工程の途中であり、その土質、地盤安全性・環境安全性については不備・不明な点が多く、大規模集客設備を含むインフラ整備には現時点での十分な調査と慎重なアセスメントが必須と考えます。このような府民の不安や疑問にたいして、十分な説明や情報開示の機会を設けることなく、誘致を前提にした事業者選定委員会を発足させるなど、当たり前の行政手続きを無視した行政サイドの拙速な開発姿勢には強い憤りと不信感を抱かざるを得ません。誘致申請に関しては、府民住民の賛意が必須でありますが、そのためには十分な情報開示と誠実な説明が必要です。つきましては、以下の諸点につき誠意あるご説明を要望します。
① 候補地である夢洲の開発、利用計画上の問題点、安全性、環境アセスメントについては、平成12年10月、大阪市より北港テクノポート線建設に係るアセスメントの検討結果報告書が提出されているが、60年にも及ぶ長期間の埋め立て開発、利用計画のなかでの想定評価がなされているのみです。本年9月4日の台風21号は夢洲を含む人工島に護岸盛り土の喪失、浸水など多大の被害をもたらしましたが、このような状況を踏まえた上で、今般のカジノを含むIRのような大規模集客施設や、地下鉄線、アクセス道路等のインフラ設備の自然災害や土壌汚染に対する安全性をどのように担保、保証されるのか御聞かせください。また、今後5年以内の完成を目標にしたカジノ誘致計画は、従来2041年度を商品化の目途にした土地利用計画に比べ開発期間が大幅に短縮されており、また用途も当初の想定とは全く異なるものに変更されることになります。このような重大な計画変更について、行政サイドとして府民への説明と了解をとる責任があると考えます。この点に関し、納得のいく説明と、短期間の計画変更が技術的に可能であることについての調査・アセスメント結果をお示しください。
② 仮に夢洲にカジノを含む統合型リゾートが建設されるとして、前項(1)で指摘されている問題点を短期にクリヤするための夢洲の土質・地盤改良、土壌汚染対策、地下鉄線延伸を含む大規模な集客施設の建設・維持に係るインフラ整備経費はいかほどで、誰が負担するのかを明示してください。また、整備に係る作業手順・工程表、認可申請に至る行政手続きのロードマップをお示しください。
③ 仮に夢洲にカジノを含む統合型リゾートが建設されるとして、その集客・賭博収入の見込みと、それによる大阪市を含む近隣自治体への経済効果につき、依存症対策コスト、賭博行為にまつわる種々の違法行為規制のための管理経費、自然災害対策費、インフラ維持・減価償却費、近隣商業施設・文化施設への悪影響等の負の経済効果を考慮した上で、できるだけ誠実なトータルの金額評価を明示してください。また、その評価にもとづく、府財政への実質収支効果、およびもしトータルプラス分があればその使途を明示してください。
以上の諸点につき、何卒よろしくご説明のほどお願い申し上げます。