ニュースレター第10号
会報第10号を発行しました。
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2024年5月8日 第10号
現在、会員345名
~万博会場の爆発事故、溶接の火花が廃棄物由来のメタンガスに引火か~
大阪・関西万博の会場となる夢洲(ゆめしま)で3月28日に発生した爆発事故。建設工事中に発生した火花が可燃性ガスに引火しました。けが人は出なかったものの、施設の一部が破損。事故が起こった工区では工事を停止と万博協会が公表しています。
万博協会によると、万博会場西側に位置する「グリーンワールド工区(夢洲1区)」の屋外イベント広場横にあるトイレ1階部分3月28日午前10時55分ごろに事故が発生しています。
鉄骨などの溶接作業中に発生した火花が、トイレ床下の配管ピットにつながる設備口から落下。ピット内に充満していた可燃性ガスに引火し、爆発したようです。
トイレは大阪・関西万博の開幕中に使用するもので、延べ面積はおよそ500m2。爆発によって1階のコンクリート床100 m2程と、トイレの点検口が破損しました。
万博協会の広報担当者は「地下に埋め立てられた廃棄物から発生したメタンガスに引火した恐れがある」と伝えています。グリーンワールド(夢洲1区)工区の一部は元々、廃棄物の埋め立て処分場だった。地下から可燃性ガスが発生し、配管ピット内にたまっていったとみられます。
大阪府の吉村洋文知事は3月29日の会見で、「まずは原因究明と再発防止に努めてもらう。人的被害が起こったとしてもおかしくなかった」と述べたようですが、何か他人事。メタンガスが発生することは、地下鉄工事現場でも解っているとのことでした。
《大阪・関西万博どこでも爆発》
万博会場である夢洲(ゆめしま)では、以前からメタンガスの問題が指摘されてきました。たとえば、会場の最寄り駅となる地下鉄の新駅を作るにあたり、大阪市は、当初、工事費を約250億円と見込んでいましたが、地盤沈下への対応や、メタンガスの防爆対策などで、さらに約96億円が必要と判明し、2022年の段階で約346億円まで膨らみました。
2023年10月の地元「市民団体」の話によると、『管理型最終処分場』である夢洲1区内には、袋詰めされた泥が積まれているエリアがあり、その量は3立方メートルの袋詰めが1万袋あると言われています。大阪市によると『中程度のPCBが含有されている土』で、今後は50cmの土で覆い、その上をコンクリートで固めて万博、IRの駐車場にする計画だそうです。国と大阪市は、このまま汚染を封じ込めてしまうのでしょうか。特に1区には、有毒な焼却灰や飛灰などが860万トンも埋まっているとされ、有毒の『メタンガス』も放出されていることが心配されます。
《火災事故想定せず作業》
今回の可燃性ガスによる爆発事故が起きた問題で、現場の建物にいた作業員は4人で、作業による火災の恐れは想定できていなかったことがわかりました。万博協会が回答しています。
爆発が起きた夢洲1区は現役の廃棄物の処分場で可燃性のメタンガスが発生し続けています。協会によると、爆発は、屋外イベント広場東側で建設中のトイレ1階で溶接作業中に発生した火花が、床と地面の間にあるトイレに必要な上下水管を敷設するための空間(配管ピット)にたまった可燃性ガスに引火したことにより発生。コンクリートの床など面積で約100平方メートルが破損しました。作業員作業位置から爆発地点までは、一定の距離(高低差)があったため人的被害はなかったとしています。
可燃性ガスの発生は認識していたといいますが、作業場所(1階)とガスが滞留していた空間とが別であったため、火災の恐れを想定できていなかったとしています。ガスの濃度を測定するための計測機器は現場事務所には常備していたといいます。
協会は、他のエリアは「建設残土等で埋め立てされており、可燃性ガスの発生はない」と発表していましたが、「メタンガスを放出する管」(写真)は、市民団体が確認しただけでも79本に上ります。夢洲は浚渫土砂、建設廃材、ごみなどを埋め立てて造成された人工島であり、夢洲他区の地下鉄工事でも見つかっています。「廃棄物処分場を原因とするガス軟弱地盤と土壌の汚染は都度指摘されていたものです。
既に大阪府では学校行事で万博見学を実施することが内定していますが、児童生徒の安全確保と夢洲への交通手段(アクセス)の問題が懸念されています。今回のガス爆発問題だけでなく、そう遠くない将来に予想されている大規模地震、津波からの避難策は公表されていません。
井上善雄弁護士を悼む
西澤信善(大阪カジノに反対する市民の会・代表)
井上善雄弁護士は昨年12月末にお亡くなりなられた。その知らせを受けたのが今年の3月11日の事であった。訃報を聞いていろいろな思いがぐるぐると頭を駆け巡った。先生とご一緒に裁判を戦わせていただいた期間はそう長くはないが、この間に、先生は強烈なインパクトを私に与えられたのであった。そのことを若干書かせていただきたい。
先生とは、先生が呼びかけられたリーフレット訴訟の原告になったことで知り合った。このリーフレットは、大阪府・市が合同で設置したIR(統合型リゾート)推進局が作成した高校生向けのギャンブルに関する啓発の文書である。その目的とするところは、ギャンブルは弊害が多く、それを回避するためはどう付き合えばよいかを高校生に教えることであった。井上弁護士はそんなものはまやかしであり、配布を差し止めようとされたのである。私も一読したが、このリーフレットではギャンブルをすることが前提となっていて、そのうえでどうすればギャンブルの弊害に陥らずギャンブルを楽しめるかが主題となっている。そもそも賭博は法律で禁止されており、賭博をすることを前提とすること自体おかしいと私でさえ感じた。それで先生に同調し、原告となったのである。端的に言えば、この訴訟は先生の自作自演であり、あくまで井上プロジェクトであった。訴訟費用は原告7-8名のカンパでまかなわれたと思う。全部で10万円集まったかどうかの金額である。この訴訟に関しては、先生は採算を度外視して取り組んでおられた。先生は、そこまでして「こんなものは配ってはならない」という信念をもっておられたのである。
裁判結果は、一審、二審とも敗訴であった。こんなことを聞いたことがある、「そもそも行政を相手に訴えてもまず勝ち目がない」と。そんなことは、先生は先刻、承知のうえのことであったであろう。それでも先生は果敢に打って出られたのである。一審の時だったと思うが、先生から陳述書か意見書か定かでないが、私の見解を文章にして出してくれと頼まれたことがある。A4の用紙4枚くらいに書いて提出した。先生は「論旨がすっきりし、よくできている」とほめてくださった。先生はべんちゃらをいう人ではない。それだけに嬉しかった。二審のころ、先生は車いすに乗って出廷された。歩けなくなるという状態だから体調は相当悪かったのではないかと想像する。それは表には出されず、むしろ表面的にはいつものように意気軒高であった。敗訴をうけて、最高裁に上訴された。しかし、これも棄却された。かくしてリーフレット訴訟は幕を閉じた。
最後の集まりの時だったと思うが、先生から一冊の本を貰った。「23期・弁護士ネットワーク」に結集した30名ほどの弁護士が共同で執筆された『司法はこれでよいのか』(現代書館)と題する本であった。サブタイトルは「裁判官任官拒否・修習生罷免から50年」となっていた。私はこの本で井上弁護士がどういう人でどんな活動をしてきた人かを初めて知ったのである。いわば、先生の「人となり」の一端を垣間見た気がした。先生の生きざまを見て、漱石の『坊ちゃん』を思い出した。坊ちゃんは、正義感が強くまっすぐな気性であるから、とりわけ、ずるい奴らはゆるせない。世間にでても喧嘩ばかりしている。どうも世の中がうまく渡れない。せっかく四国・松山で教師の職を得るのであるが、卑劣な同僚に嫌気がさし、辞表をたたきつけて東京に戻ってくる。四国からの帰路、坊ちゃんのよいところを見抜き可愛がってくれた親戚筋の老婆「きよ」に、わざわざ新潟まで遠回りして好物のささめ飴をお土産に買って帰る。無骨であるが、優しいところもある。私の中学以来の愛読書である。私には、井上弁護士が坊ちゃんとぴったりオーバーラップしてみえた。
今回、先生から頂いた本をあたらためて読み返して、木村達也弁護士の名をみつけた。本書を献本してもらった時、木村弁護士のことは知らなかった。木村弁護士のことをはじめてお聞きしたのは、若宮健、山口美和子のご両人からであった。お二人は、木村先生に心服されているようで、話の様子から立派な人であろうと想像がついた。実際、その半年後にお会いするのであるが、私の推測は間違っていなかった。ところで本書で知ったことがある、なんと「井上弁護士は木村弁護士と昔から懇意にされており、あたかも同志のように一緒に仕事をされてきた仲」ということを。木村弁護士は、井上弁護士の訃報をどんな気持ちで聞かれたことであろう。察して余りある。
最後に、もう4-5年になるが厳冬に咲く梅花を歌に詠んだことがある。
ごつごつと節くれだった梅の木に
鮮やかに咲く紅白の花
へたな歌であるが、私に人としての生きざまを教えてくれた井上善雄弁護士に感謝を込めて捧げたい。
《会員投稿》
夢洲IR差し止め訴訟が問う大阪カジノの違法性
現在、大阪地方裁判所で審理が進められている「夢洲IR差し止め訴訟」。住民監査請求での「合議不調」を経て2022年7月29日、原告5名により住民訴訟に踏み切りました。合議不調とは、3名の監査員の意見(監査による可否)が一致しなかったため、監査として認定も否決もできなかったことによるものです。
この訴訟での請求事項は以下の3点。
・大阪市は、土地所有者の責任として大阪IR株式会社による事業のために必要な土地改良事業費を負担する旨の合意を締結してはならない。
・上記土地改良事業のため、大阪IR株式会社に対し、一切の支払いをしてはならない。
・大阪IR株式会社による事業のために必要な土地の引き渡しをしてはならない。
2022年10月18日に第1回口頭弁論がスタート。原告と大阪市双方からの意見陳述や書面のやり取りが行われてきましたが、大阪市とカジノ事業者との契約内容(基本合意書)がなかなか開示されないため、原告が問題としていることに対して、大阪市の回答があいまいなままで裁判が進行してきました。
そうした中、2023年4月に、国は大阪IR区域整備計画を条件付きで認定しました。この流れに沿って、大阪府などは9月8日、国に「実施協定書案」を申請し、国土交通省は22日に認可。そして28日には、大阪府とIR会社は大阪IR事業実施協定、大阪市とIR会社は事業用定期借地権設定契約などを締結しました。原告団はこの裁判を通じて、大阪市に対して、文書提出命令を請求するなどを進めてきました。
私たちが進めている裁判に追走する形で、定期借地権契約による賃料を決定する「不動産鑑定」の手続きに不正があったとして、「カジノ格安賃料差止訴訟」が提起されました。訴訟の請求の利益が同内容であるという理由で、判所所の指示により2つの訴訟は「共同訴訟」として扱われることとなり、2024年1月より合同訴訟となりました。
訴訟内容に大きくかかわる「基本合意」については、被告大阪市は、2023年12月、9月28日に締結された次の文書を開示しました。
◎大阪・夢洲地区特定複合観光施設地区整備等実施協定書
◎事業用定期借権設定契約公正証書
◎大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の立地及び整備に関する協定
◎大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の立地及び整備に係る土地使用等に関する協定
また、9月29日に締結された「土地改良事業に関する協定書」「液状化対策等工事市有財産使用賃借契約書」なども開示しました。
これらの文書の精査を行いながら、今後両原告団で、裁判を進めていくことになりました。
この3月14日に行われた第8回の期日では、訴訟の請求趣旨の変更が行われました。原告団は、「大阪IR株式会社による事業のために必要な土地の引き渡しをしてはならない」としていましたが、昨年9月28日に定期借地権設定契約が締結された。そのため、契約の差し止めを求める利益が失われたため、請求内容の変更が必要となったためです。
2つの訴訟では、
・土地改良事業費を負担することが違法であること
・その土地の借地権契約が違法であること
・借地権設定契約の賃料が不当な鑑定により不当な廉価であること
などを訴えてきましたが、契約が締結されたことにより、その利益が消滅していることから、請求の一部を変更することになりました。
現在定期借地権設定契約は締結されましたが、土地の引き渡しや土地登記などは行われていません。橇(そり)のため、カジノ用地の引き渡し、ならびに登記手続きの差し止めを求めるよう、請求趣旨を変更しました。
裁判の手続き上のことが行われることで、裁判は停滞しているように見えますが、実際には大阪市が開示命令により提出した多くの文書により、原告団の主張の正当性が明白になっていくと考えています。
今後の裁判スケジュールは、以下の通り。
傍聴人が数多く集まることにより、裁判員に緊張感を与えるだけでなく、大阪市への無言の圧力も高まります。
今後ともみなさまの力強い支援を賜りますよう、お願いいたします。
◎第9回口頭弁論 2024年5月28日(火) 午後 3時~
◎第10回口頭弁論 2024年7月26日(金) 午前11時~
いずれも大阪地方裁判所202大法廷
夢洲IRカジノ契約に解除権が設定された意味
運営委員 児玉俊英
昨年9月、SPC(大阪IR株式会社)と大阪府との間で交わされた同実施協定書の内容が、我々が進めて来た夢洲IR差し止め訴訟の中で12月末、ほぼ全面開示されました。そしてその第99条の2には、SPCは、2026年9月末まで、次の(1)から(7)のうち、いずれかが成就していないと判断する場合は、違約金なしで撤退できる「解除権」が設定されています。
- 税務上の取り扱い:運営事業に関する所得税・法人税等の条件が今後不利にならないこと
- カジノ管理委員会規則:当該規則が事業運営に著しい悪影響を与えないこと
- 資金調達:融資契約を行う金融機関と融資が締結され、それによる融資の実行が合理的に見込まれること
- 開発:事業の実現、運営、投資リターンに著しい悪影響を与える土地・土壌に関する事象(地盤沈下、液状化等)が生じていない、また、生じるおそれがないこと
- 新型コロナウイルス感染症:当該感染症が終息し、かつ、国内外の観光需要が当該感染症発生前の水準まで回復していること
- 財務:本件保証人のいずれかに倒産手続き等の申し立て等が生じておらず、かつ、本件保証人の財務状態に鑑みSPCへの出資実行が見込まれること
- 重大な影響:SPCにてコントロール出来ない設置運営事業の設置または営に著しい悪影響を与えるその他の事象が生じていないこと
以上から、私のような経済素人の人間から見ても、契約当事者の一方である大阪府に極めて不利な内容であり、これは、カジノ運営のノウハウを有するSPC一社を相手に交渉せざるを得なくなった結果であることは明らかです。
ここからは私見ですが、我々大阪府民・市民の生活を守る、更には投資、夢洲への各種インフラ(交通運輸手段・土地整備手段等)等を整備する上での、本来SPCが抱えるべきリスクを、行政、更にはこれらの施行・実現を担う企業群に負わせることになります。
このリスクを負わされる一企業である京阪ホールディング会長が、今年1月、この「解除権」の存在を理由に、中之島線延伸計画の決定不可を発表したのは当然です。仮にこの「解除権」が施行された場合、自治体や各企業の長は、背任罪を問われる可能性も考えられます。
大阪府民・市民の生活を守るためにも、まともな企業活動を確保するためにも、このような経済的政治的にも異常極まりない夢洲IRカジノ契約は直ちに中止すべきです。
夢洲の危険、カジノのための万博、復興の妨げ…それでも万博推進の答弁を続ける豊中市長
豊中市市議会議員 和田まなみ
私は12月の一般質問で、万博とカジノの問題を取り上げました。市長は前から「カジノは反対」の立場を表明していますが、一方で万博首長連合の副会長をしていることについて、「万博を盛り上げることが、大阪カジノ推進のテコとなっていることを知っていながら取り組んでいるのか?」「万博は今すぐ中止するべきではないのか」「大阪府下の小中高生を校外学習で万博に行かせることについて、夢洲はごみの埋め立て地であり有害物質や軟弱地盤、地盤沈下など多くの問題がある、南海トラフ巨大地震が起こる確率も30年以内に70〜80%であり、橋と地下トンネルの2つしか避難ルートがない、自然災害時に危険な場所に、子どもたちを連れて行くべきではないのではないか」と質問しました。
それに対し市長は「万博とIR(カジノ)は別の事業であると考えている。(地震の)リスクはわが国の国土全体に共通する。そのことだけをもって子どもたちの体験機会を失わせるべきではない。」と答えました。私は、市長がなぜ根拠のない無責任な答弁をするのかと思いました。
また、3月議会では日本共産党の代表質問で山本いっとく議員が万博について再度質問しました。「能登半島地震の復興復旧の最大の妨げになっているのが2025年大阪・関西万博である。半年で終わる万博に人材や資材、重機、巨額の税金が投入されれば、被災地の復旧にしわ寄せが行く。また、開催地の夢洲は南海トラフ避難計画がなく、極めて危険な状況。改めて震災復旧のためにも万博を中止し、復興支援へ切り替えることが必要ではないか」と質問。しかし市長は「能登半島地震の復興復旧と万博の開催は、日本国中が総力をあげ困難を克服し、どちらも貫徹すべきものであると考えている。」と答えました。能登地震の復興を願う市民の気持ちも、危ない夢洲万博は中止すべきだという声も市長には届かないのかと、悲しくなりました。
3月28日には可燃性ガス爆発事故があり、恐れていたことが起きてしまいました。大阪市環境局は、どこから発生するかわからないことを事実上認めています。夢洲万博は、「命かがやく」どころか「命が危険」なことがハッキリしました。それでも強行する理由はIRカジノを作るためです。
今年度も介護保険料や国民健康保険料など命に関わる大事な領域で値上げとなります。物価高で苦しむ国民の声には見向きもせず、反対の声や懸念を押し切って進めるお金の無駄使いは本当に許せません。「やっぱり万博中止しかない!」「暮らしを守れ」という市民の声をもっと集め、広げながら引き続き「カジノのための万博中止」につながるようご一緒に頑張りたいと思います。
「万博成功」を装うために子どもを利用しないで!
豊中市市議会議員 山田さほ
私の子どもは公立小学校に通っているのですが、先日、学校で配られた「すごいぞ!大阪・関西万博」というPRのチラシを持って帰ってきました。率直に「ふざけるな!」と思いました。万博には意志決定面でも安全面でも財政面でもさまざまな問題がありますが、PRチラシには楽しそうなところ、いいところばかり書かれています。子どもたちがPRを真に受けて「行ってみたい!」と言えば、保護者はほだされて連れて行ってしまうものです。万博に関心がない人は70%と、とても高いのですが、子どもを利用して入場者数を増やしたいという大阪府の魂胆が見え見えです。万博成功を装うために子どもを利用するな!と断固として言いたいです。
万博を行き先とした校外学習計画、市の万博関連予算、安全性や中身が不明確なまま、とにかく矢継ぎ早にスケジュールが組まれて行きます。子どもたちの教育や市の予算が万博に踊らされていることにたいへん危惧を覚えます。
文科省学習指導要領には校外学習などの行事のねらいと内容について「学校における学習活動を充実発展させる」と明記されています。つまり校外学習の内容は各学校で計画するのが効果的だということです。子どもの貴重な校外学習の機会を、万博集客のために子どもを動員する目的に奪われるべきではありません。学校の先生・教師方が日頃の活動内容や学校等の実情、周辺の環境を考慮しそれぞれ計画するべきです。
私は30年前に豊中市の小学生でしたが、修学旅行で原爆ドームを見学したことや、終戦の日に「裸足のゲン」を上映し、平和を大事に思う心を育てる教育を受けたことを今でもしっかりと覚えています。学校生活の特別行事の記憶は色濃く、このように大人になって思い返すものです。豊中で育つ子どもが後々思い返した時に、大人に都合よく利用されたという黒歴史の記憶が残らないように、万博動員はすべきではありません。
加えて、豊中市では、万博チケット購入のシステム開発業者に約500万円支払うことが予算化されています。その業者は府が委託しています。
4歳から18歳の子ども一件当たり100円を豊中市が負担することになっているのですが、現時点ではシステムの中身がわからないということです。この、どうなるかわからないシステムに予算を組むのはいかがなものでしょうか。子どもの個人情報が共有されるシステムの中身が説明できないまま進めるのはやめていただきたい。
はっきり言います。市民の税金は万博ではなく「教育」に割り当てるべきです。適当にお茶を濁してはいけません。子どもをなめてはいけません。子どもは敏感です。万博が自分たちのために行われているわけではないことを必ず察知するでしょう。したがって、万博を主導し、自分たちがやっていることを説明することもできない、このような恥ずべき事態を招いた人々のメンツを立て、市民の税金で「万博成功」をうたい上げるために、子どもを動員することには反対です。
今回の万博が終われば、大阪府知事や各市長は「開催前はあーだこーだ言われたが、結局成功した。子どもたちも笑顔になった」と言うでしょう。私は声を大にして言いたい。まともな計画も立てられない政治家の「ごまかし」のために、学校を利用するな!教育を利用するな!子どもを万博に利用するな!
私は、街頭に立って「万博はおかしい!長い物に巻かれるな」と訴えているみなさんの行く先にこそ未来がある、そう思います。
巨悪を淘汰し市民の暮らしを市民自らが守る歴史的活動に余生を尽くしたい
ノンフィクション作家 若宮健
西澤教授との出会いから早いもので十数年が経ちました。混沌とした世情の中で敢然と立ち上がり『カジノを日本に作ってはならない』と声をあげ獅子奮迅の努力を続けてこられた西澤教授は我々市民にとってとても貴重な存在であります。
他の団体が特定条例住民投票運動に反対する姿勢を崩さないときも、根気強くカジノに反対する市民の会は他団体の説得にあたり民主主義運動を和をもって導動し万人が反カジノ運動へ参加しやすい環境づくりを貫かれました。ご存知の通り僕は偽物が大嫌いです。ゆえに滅多に組織や団体に所属することはございません。
僕は大義を通し弱き者を助ける西澤教授の姿勢に強烈に共感し顧問に就任し続けております。カジノに反対する市民の会が巨悪を淘汰し市民の暮らしを市民自らが守る歴史的活動に余生を尽くしたいと思います。
《各紙の社説等から》
関西マスコミ、特にワイドショーなどでは大阪・関西万博の情報を総じて主催側の目線で伝えることが大半で、万博後に予定されているIRカジノ計画の問題を伝えることがほとんどありません。一番、この問題について言及してきたのが、ネット配信される東京新聞記事と感じてしまうのは皮肉なものです。しかし、ようやく各紙が大阪・関西万博の開催意義に関して言及するようになってきました。
「読売」は昨年にもIIR・カジノ計画に対して警鐘を鳴らしましたが、3月27日の社説で「日本でも2年前、経済産業省がスポーツ賭博の解禁に向けた素案をまとめた。スポーツ産業の振興が狙いだとされたが、今回の疑惑(水原問題)は、ギャンブル依存の怖さとともに、安易な導入論がいかに危険かを示したと言えよう。大阪府では、カジノを中核とした統合型リゾート(IR)の開業計画が進んでいる。水原氏のように巨額の借金を背負い、人生を棒に振る人々を新たに生み出さないか。疑念は強まるばかりだ。」と述べています。
この他、「朝日」が4月14日、「神戸」が4月18日、「毎日」も4月23日に「大阪万博の開催意義に対する疑念」に関して社説を公表しています。
また、日経もコラムである「春秋」でIRカジノや万博計画に対する疑念を掲載しています。
3月29日の「春秋」は『「カジノを開いた方が依存症の人にとって少しは救いになる。」と賭博で大金を失った大王製紙元会長井川意高氏の著書の言葉を紹介し、競馬に比べ、胴元の取り分か少ないからだ。なるほど。それで国が推進するのか。ありがたい文化政策である。』と皮肉たっぷりのコメントを、4月14日には、万博計画への疑念を掲載しています。
最近は新聞を購読される方が減り、特に若年層はこういった記事を目にすることが少なくなりましたが、改めて賭博や依存症の恐ろしさや万博計画の問題点を伝えていく必要性を痛感しています。
《6月2日(日)講演会を開催します》
夢洲「開発」の問題について精通された「おおさか市民ネットワーク代表」藤永のぶよ様、「元大阪日後新聞記者」木下 功様をお呼びしての講演会を開催します。ご両人様からは最新情報も含めたお話を伺えることができます。
くわしくはこちらをご覧ください。
会員の皆さんへ、市民の会からのお願いです
大阪カジノに反対する市民の会は、市民が力を出し合って結成し、運営している市民団体です。カジノ反対の世論を大きくすることで、カジノ誘致を止めようと考えています。
世論を大きくするには、市民の会の会員を増やすことです。現在、会員数は345名です。会員が1000名を超えたら、大阪の世論が動き始めると考えています。そこでお願いです。
- 会員紹を介してください。入会申込書は、会に請求していただいたら、郵便、FAX、メールのいずれでも送れます。ホームページにも入会申込書を掲載しています。
入会するには入会金1000円が必要です。会費はありません。 - 会への寄付をお願いします。会の活動に
は印刷代、郵送料、交通費、会場費、講師
謝礼などかなりの資金が必要です。入会金の千円だけでは足りません。そこで寄付をお願いしています。
入会金がまだの方も、下記のゆうちょ銀行振替口座に振り込んでください。恐れ入りますが、振込手数料も負担して下さい。 - 市民の会が大きくなるには、会報の発行が欠かせません。発行は年3回が目標です。
会員の投稿を募集しています。会報の配布も手伝ってください。