会報第5号を発行しました。
ぜひお読みください。
2019年11月27日 第5号
現在、会員348名
カジノ管理委員会が来年1月設置。大阪維新は暴走
反対運動は全国で広がる
政府は、今年7月に設置を予定していたカジノ管理委員会を、来年1月7日に設置すると決め、国民の声を無視して準備を進めています。
今臨時国会に5人の委員が提案されていますが、世界最高水準の規制のはずなのに、委員の中にはギャンブル依存症対策に精通した人は一人も含まれていません。
政府は、2021年1月から自治体が事業者とともに作製した区域整備計画を受付け、国内3カ所の区域整備計画を認定します。今の所、北海道、東京、神奈川、千葉、愛知、大阪、和歌山、長崎の8地域でカジノ誘致の動きが出ています。開業は2020年代半ばの見込みです。
ところが大阪は、維新府・市政が、2025年関西万博前のカジノ開業一番乗りをめざし、国の方針決定を待たずに業者選定、業者が負担すべきアセスメント費用を府・市が負担、造成地の地盤沈下が止まらなくても建設工事を進める意向など、準備を暴走させています。
しかし、国民は全国どこでもカジノ反対です。
大阪でも、横浜、苫小牧、長崎、和歌山でもカジノ反対運動が急速に広がっています。
カジノは不幸を作るだけ、日本も大阪も元気になれません。この声をさらに大きくしていきましょう。
きれいごとではすみません
ほんまのことをちゃんと教えて
市民学習会
12月21日(土)午後1時半~
豊中市立蛍池公民館第1集会場
蛍池駅前ビル北館5階
入場 無料・自由
主催 大阪カジノに反対する市民の会
カジノ反対運動
全国交流と総決起の集い
2020年1月26日(日)
午後1時15分~3時40分
会場 東京四ツ谷主婦会館プラザエフ
主催 全国カジノ賭博場設置反対
連絡協議会
問合せ 尼崎あおぞら法律事務所06-6943-6612
当会設立1周年行事を開催
9月14日、豊中市の市立男女共同参画推進センターで当会結成1周年記念集会を開催しました。市民ら約150人が参加し、弁護士の高橋敏信氏が基調講演でカジノの入場回数や家族の申告による規制、事業者による貸し付けなどを取り上げ「ギャンブル依存症対策が不十分」と強調しました。
高橋氏は「7日間で3回」としている入場回数規制について「7日間で3日ではなく3回、1回当たり最大24時間。実際には週6日間、通えてしまう」とし、家族申告の入場規制も「事後的なもので、カジノは被害額が短期間に大きくなる危険性がある。取り返しがつかなくなってから規制しても意味がない」と説明しています。カジノ事業者による貸し付けは「最高裁判決で賭博に使われると分かっている貸し付けは無効になるのに、今回、民間賭博を解禁した上に賭博の貸し付けを堂々と認めた。競馬場の周りなどに現金自動預払機(ATM)を設置しない動きと逆行している」と指摘されました。西澤代表は、「カジノの儲けは、大阪府民と観光客が巻き上げられるお金。これは経済効果と言えない」と話しました。(満員御礼)
「カジノあかん!夢洲(ゆめしま)あぶない!」
大阪へのカジノ誘致に反対する市民集会
10月22日、夢洲でのカジノ問題に取り組む市民団体で構成された実行委員会主催の市民集会が府立労働センター(エルおおさか)で開催されました。市民ら約800人の会場は溢れんばかりの参加者で埋め尽くされました。
基調講演は神戸大名誉教授の田結庄(たいのしょう)良昭先生が行い、2025年大阪・関西万博の開催地に決まり、大阪府・市がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を進める大阪湾の人工島・夢洲の、津波などの自然災害の危険性について訴えました。
また、市民団体の代表らがギャンブル依存症の問題に加え、夢洲の環境アセスなどについて問題を提起し、当会の西澤代表は高校生に刑法で禁止されている賭博を「限度を決めて、範囲内で楽しむ娯楽」と書いたリーフレットを、大阪府が配布した問題と府を相手にした訴訟について話しました。集会後は、北区の扇町公園までパレードを行い、カジノ反対を訴えました。沿道を歩く皆さんからも心強いメッセージが寄せられました。(満員御礼)
リレートーク
“悲惨を通り越して滑稽なIR推進局”
大阪大学名誉教授 熊谷貞俊
昨今の新聞紙面で見る限り、大阪府市IR推進局のドタバタぶりは、悲惨を通り越して滑稽です。事業者募集のための実施計画には開業期日の明記が必要ですが、24年度開業を“努力目標”と書いて、松井市長に大目玉を食らったようです。
そこで、“努力”の文言を削って、ごまかしたそうですが、これほどあからさまな、カジノありきのIR 推進計画もありませんね。肝心の会議場、展示場は後回しにしてでも、とにかく万博前にカジノを開業し、インフラ整備費用を捻出するというアホの一つ覚えに固執しているようですが、このザマでは、事業者に足下を見られて、200億円の地下鉄延伸工事費捻出もままならず、かといって、府市にとって虫のいい条件をつければ大阪から事業者は逃げていく、という具合です。
カジノ誘致がうまくいかなければゴミの島万博そのものの計画も頓挫しそうで、吉村知事の憔悴ぶりはたで見ていても哀れを催すほどです。我々の運動としては、このような弱点に注目し、とにかく思惑通りには計画を実施させないよう、あらゆる観点から、問題点を指摘して、足を引っ張ることが肝心だと思います。
そもそも、この有害無益な計画(カジノの夢洲誘致)の発端は、東京、神戸、横浜等のまともな湾岸開発の大成功と比べ、いい加減なバブル期の夢に踊った大阪市の湾岸開発利用計画の度重なる頓挫、挫折に焦りまくった府市当局が、当時の無責任極まりない元祖維新のH元知事の“小汚い大阪にはゴミの島でのカジノがぴったり“との口からでまかせに飛びついたことにあります。そこに、思いかけず万博誘致が成功し、わずか半年の万博のためという屁理屈をつけてカジノ場整備のためのインフラ費用を捻出しようとしているわけですが、このようなあからさまな虫のいい計画は海千山千のカジノ事業者に簡単に見透かされ、大本命であった3社が大阪撤退を表明しました。
残ったカジノ事業者のMGMはオリックスと組むようですが、すぐ隣で大成功を収めている同じ映画会社系のUSJや、ディズニーランドほどの集客効果が期待できるのか、やや疑心暗鬼となっていることでしょう。いくら都合のいい夢を描いても、世界からはおろか、日本からでも誰が好き好んでこんな魅力のないゴミの島に博打をしにきますか。H元知事も云ってます、”こんな小汚い大阪はとことん小汚くしましょう“。皆さんの愛する大阪が、ここまでめちゃくちゃにされていいと思われますか?
リーフレット訴訟~何が問題か~
西澤信善(本会代表)
大阪府は昨年度、高校生および支援学校生向けに「将来、ギャンブルにのめり込まないために」と題するリーフレット配布した。その内容は、学校で配布されるものとして、極めて不適切であり、私たちは配布の差し止め及び不当支出の賠償を求めて裁判を起こした。理由は以下の通りである。
1 リーフレットのタイトル「のめり込まないために」は、ギャンブルを行うことが前提となっている。日本の法律によれば、賭博は刑法第185条および第186条において禁止されている。しかるに、このリーフレットにはこの点について全く言及がない。つまり、賭博に関して恐らく何の知識も有しない高校生に「賭博は合法的なもの」と誤って伝える可能性が高い。確かに、日本では、競馬、競輪、競艇などが公営ギャンブルとして認められている。これらは特別法で違法性が阻却されて特別に公認されている。法の精神はあくまで賭博は禁止であり、リーフレットはこの点を明確に伝えていない。致命的な欠陥で有る。
2 このリーフレットはギャンブルの弊害についての記述が極めて不十分である。それどころか「・・・範囲内で楽しむ娯楽」とさえ記述している。ギャンブルの弊害は、何も依存症だけではない。ギャンブルの世界の格言に「賭博は胴元が勝つもの」というのがある。つまり賭け客は「金を巻き上げられる」のである。ここに賭博と商取引との本質的な違いがある。商取引は金の流れと逆に財・サービスの流れが伴う。賭博では金は勝負に負けた者から勝った者へ対価を伴わず一方的に流れる。賭博は胴元が結局は儲け、賭け客は金を巻き上げられて貧窮化する。依存症と違って、これだけは防ぎようがない。防げば、ギャンブルはビジネスとしてなりたたない。これに関して二つの点を明確にしておきたい。
① 賭博で賭け客が貧窮化し、賭博の深みに嵌ることが、さらに深刻な弊害、すなわち、借金、多重債務、依存症、家庭不和、犯罪、そして最悪は自殺に至る不幸をもたらす。
② 大阪府市が発表したIRの基本構想によれば、カジノ業者の売り上げ(GGR)は3800億円である。これはカジノ業者が賭け客から対価なく「巻き上げた金」である。こんなものは経済効果などとはみなせない。なぜなら他方で負け客が死屍累々と横たわっているからである。
リーフレットはギャンブルの弊害についてもっと正確に多面的にビビッドに書かねばならない。
3 このリーフレットは高校と支援学校で配られた。合法的な文書でも、配布に教育上の配慮は欠かせない。性産業を意味する風俗営業の宣伝は、抑制されており、奨励されることはない。1であきらかにしたように法の精神は、賭博は禁止である。日本の伝統的な社会モラルからすれば賭博は奨励されたことはない。最近のカジノに対する世論も、反対が賛成のおおよそ、倍に及んでいる。これらのことを考慮すれば、リーフレットはギャンブルをすること自体を抑制的なトーンで書かれなければならない。