ニュースレター第7号

ニュースレター第7号

 

会報第7号を発行しました。
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2021年2月17日 第7号
現在、会員361名

コロナ禍の下で第3回総会を開催

昨年9月27日、本会は第3回総会・講演会を開催しました。コロナ禍の下でしたから、会場は豊中市立中央公民館に主会場と第2会場を設け、東京や横浜のカジノ反対運動の代表はネットで出演、集会の模様はZOOMで全国配信と苦労しましたが、130名が参加しました。総会では、活動・会計報告、役員・活動方針が承認されました。                                     【役員】代表西澤信善、副代表いしだはじめ、事務局長堀田文一、会計坂本真理、顧問熊谷貞俊

講演は、仙台を拠点に全国で活躍されている新里宏二弁護士(全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会代表)が「カジノは人を不幸にするビジネスであり『カジノはいらない』の全国の声を集め、カジノの推進撤回を勝ち取ろう。」と、話されました。公益社団法人大阪自然環境保全協会夢洲生きもの調査グループメンバーからは夢洲の埋め立てが進むなかで、夢洲でがんばっているコアジサシについて報告がありました。
集会にはカジノに反対している多くの団体、政党も参加し、メッセージやあいさつをいただき、大いに盛り上がりました。

【団体】
カジノいらない!東京連絡会、
カジノの是非を決める横浜市民の会、
カジノ誘致問題を考える市民の会(佐世保)
カジノ問題を考える和歌山ネットワーク
カジノはいらん!常滑、
あかん!カジノ女性アピール、
STOP!カジノ大阪、
進歩と平和と民主主義をめざす豊中の会、
大阪カジノを考えるネットワーク
大阪を知り考える市民の会、
市民のための行政を求める会、
大阪いちょうの会、
市民連合・豊中、
蟻の一徹の会
あったかファミリー運動、
新日本婦人の会豊中支部、
【政党】
立憲民主党、日本共産党、
社民党、れいわ新選組今年は、カジノを中止に追い込む年です。みんなでがんばりましょう。


コロナ禍で破綻した
「カジノを含む統合型リゾート(IR)」のビジネス・モデル

大阪カジノに反対する市民の会 代表・西澤信善

コロナの感染が止まらない。2020年の12月末の状況で1日の感染者数が連日最高を更新し、31日は4000人を超えました。こういう状況でありながら政府は「カジノを含む統合型リゾート(IR)」の誘致を断念したわけではなく、それどころか粛々として進めているというのが実情である。我々はコロナ感染が爆発的流行をみせる前からカジノ誘致に反対し、賭博で地域活性化をはかる愚と危険性を訴えてきた。それだけで十分反対するに足ると考えている。それに加えて今まさに猛威を振るうコロナのパンデミックがIR誘致のビジネス・モデルを破綻させている。そのことを以下の三つの理由で明らかにしておこう。

1 カジノを含むIRは三密の典型である
コロナの感染を防ぐ王道は、三密(密集、密閉、密接)を回避することである。IR運営は多くの人を集めることによって成り立つビジネスである。「大阪統合型リゾート基本構想」によれば夢洲IRの年間訪問客は2480万人、そのうち集客のマシーンとなっているカジノのゲーミング客が590万人、これだけの訪問者を60haの夢洲IRに集客するのである。まさに密集である。カジノはカジノ・ホールという密閉された空間で、バカラなどはディーラーと賭け客が対面・密接して行う賭け事である。米国ではコロナ感染でカジノ・ホールは軒並み閉鎖に追い込まれた。問題はコロナ禍が収束したとしても三密の危険性がインプットされた人たちが、想定通りの数の者がカジノに興じるかは疑問である。

2 インバウンド観光はコロナ禍で大きな打撃を受けた
安倍・菅両政権の進めるIRは国際観光振興の目玉施策である。それゆえIRの主要なターゲットは外国人観光客である。しかし、このコロナ・パンデミックで外国人観光客は激減した。日本の外国人観光客は中国、台湾、香港そして韓国からの観光客が大半を占める。とりわけ、カジノの賭け客として中国人観光客に大きな期待がかけられている。韓国には自国民用にカジノ施設がある。その中国がカジノ目的で外国に出ることを制限し始めている。かりにコロナ感染が収まったとしても中国人観光客はその規制によって期待するほどに来ない可能性が高い。

3 違法性阻却事由が満たせるのか
「カジノを含む統合型リゾート(IR)」はIR整備法およびIR実施法によって法的には解禁されたことになる。しかし、それには法務省が定める8つの違法性阻却事由を満たすことが前提である。ここでは公益性と運営主体の性格に触れておきたい。我々は弊害の多いギャンブルで経済活性化を図るなと、繰り返し主張してきた。そもそもギャンブルの弊害は公益性に真っ向から対立するものである。政府の言う公益性と言うものは、カジノで観光の振興をはかりその収益で納付金や税金を納め、雇用を生み出すことを想定している。しかし、コロナの影響で客足が伸びず、カジノ事業が赤字となる事態もなきにしもあらずである。その場合は、公益性は充足できないのではないか、素朴な疑問が涌く。また、カジノの運営主体は民間業者であるが、主体は「官またはそれに準じる団体に限る」と定められており、この点も大きな問題である。
上で指摘した3点を考慮すれば、「カジノを含む統合型リゾート(IR)」のビジネス・モデルは破綻していると言えるのではないか。政府および誘致自治体はこうした点をまったく顧慮せず、誘致に邁進している。まことに憂慮すべき事態である。今一度、立ち止まってこのまま突っ込んでいって良いのか考えて欲しいものである。



”秋元有罪間近、カジノ法廃止の国会審議の行方と
横浜市住民運動に注目”

大阪カジノに反対する市民の会 顧問 熊谷貞俊

黒いウワサが絶えないIRカジノ誘致疑惑の本丸、起訴中の秋元国会議員の関係者の有罪判決が相次ぎ、本人の有罪判決、議員辞職が濃厚になってきた。
12月18日に閣議決定した基本方針には申し訳のように、応募カジノ事業者との接触制限を盛り込んでいるが、そもそも2016年からカジノ法成立までの彼らとの濃厚接触をどう考えているのだろうか。
1月18日開催の通常国会で野党が提出したカジノ法廃止法案の審議の行方に注目したい。
横浜では市民が、20万もの署名を集めて、住民投票条例案を市長に提出させた。残念ながら横浜市議会では、自民・公明党が、カジノの誘致について市民の声を聴くことを拒否し、条例を否決した。残念だ。しかし、市民を無視する議員は、市民から審判を受けるだろう。
今後も横浜と連帯してがんばっていきたい。


カジノってどんなとこ?

運営委員 児玉俊英

「カジノ」で思い出すのは、若いときよく観た映画007シリーズ、華麗それでいてどこか謎深い怖さが伝わって来た印象だった。今回、まさしくカジノ専門家の証言によりその正体が判明。以下その要旨を日本共産党が発行する前衛2020年5、6月号に掲載された論文をもとに紹介する。
専門家とはニューヨーク在住の建築デザイナー村尾武洋氏で、04年以来、カジノの本場米国で30カ所近いカジノの内装を手がけてきた人物である。そして、そのカジノの詳細を知る専門家・当事者である村尾氏が、“日本には絶対にカジノをつくってはいけない”と各地で講演しているのである。
氏がその仕事を通じて得た極意とは、“カジノ客を「外に出さない」こと”、具体的には、カジノの内装設計では、外の光を入れない(窓がない)、通路を複雑にして出口が見えないようにする、時計は設けない、夕方5時から7時くらいの落ち着いた光・色調・音響・反響など、カジノの場所(位置)の設定では、駐車場や周りのホテル・レストラン・ホール等の間の移動時には必ずカジノの前を通る配置とする等である。そして村尾氏は“僕らがデザインするのは、カジノから一歩も出ないようにすることだから、「カジノによって町が潤う」という議論は全く成り立たない”とも主張する。
村尾氏の証言から、このような密室に閉じ籠もった客は、恐らく途中、気分転換を自ら呼び起こす意欲を全く喪失し、ひたすらカジノゲームに没入していく様が容易に想像できる。本会代表西澤信善氏の著書「カジノ戦争」に詳しいが、大王製紙元会長の井川意高氏がまさにカジ
ノのこの密室で106億円あまりの金を失った
事実が思い起こされる。
典型的なクラスター発生源ともなり得るカジノは、このコロナ禍のもとで世界中から敬遠され、米国はじめ各国のカジノ業者は経営難に直面している。しかし、上記村尾氏の証言から明らかなように、コロナの有無に関係なく、カジノは、それ自体(多少古めかしい表現ながら)“伏魔殿”が如き存在であり、この密室の中で客から巻き上げた金を集めて経済成長に資するという大阪府・市の企みは、必ず取り止めさせねばならない、これを結論としたい。


私たちもIRカジノに反対です

あったかファミリー運動 川本 充佐子

市民の会の皆様の日々の活動に心から敬意を表します。
大阪府民の大多数がカジノ誘致に反対しているにもかかわらず、カジノを含むIRに大阪再生をかける大阪府・市ですが、ギャンブルで経済振興を図れるべくもなく、経済的困窮、精神疾患者数の増加、家庭崩壊など、益々私達の生活が苦しくなり、負のスパイラルに巻き込まれていくのは明らかです。
これからの社会を担っていく若者に対しても、ギャンブルを娯楽とし、日々の楽しみの一つとして認識してしまってもおかしくない様な内容である高校生向けリーフレットを作成し配布するなど、若者の未来に悪影響を及ぼしてしまう方向へ誘導していくことは許しがたいことです。
また、大阪府自然環境保全協会様による講演からも、夢洲の埋め立てにより、自然環境が失われると同時に、関西圏の気温の上昇に直結するとのことで、私達の生活にも大きく関わってくる事なのだと学ばせていただきました。
万博開催とカジノを含む統合型リゾート(IR)がセットとして考えられ、「生命輝く未来社会のデザイン」とうたっていますが、このままだと“みんなの生命が枯れゆく未来社会のデザイン”となるでしょう。
IRカジノ誘致に莫大な公金を投入するのではなく、医療や教育、福祉などに向けていただきたいです。
国会で満足な審議も行わずカジノ実施法が制定されるなど、民主主義ではない形で進められている事にもおかしさを感じます。
私達みんなで創る未来社会なのだという事を改めて国民の皆様と考えていき、多くの皆様と力を合わせて平和で明るい未来を築いていけることを願っています。


リーフレット訴訟 地裁で敗訴。
高裁に控訴し、たたかい抜きます

リーフレット訴訟原告団 事務局 堀田文一

ギャンブル依存症が、深刻で重大な社会問題となったのは、今から数十年前のことです。ところが、国や府など行政による対策は皆無でした。
ようやく2018年7月、国はギャンブル等依存症対策基本法を制定します。カジノ実施法の制定とほぼ同時です。同年12月、大阪府は高校生向けに「将来、ギャンブルにのめり込まないために」というギャンブル等依存症予防のリーフレットを作成し、府内の全高校生に配布します。大阪府が2017年1月に府市IR推進局を設置し、IRカジノを誘致する準備を本格的に開始して間もなくです。国も府もIRカジノを誘致する免罪符として、ギャンブル等依存症対策を始めたような印象を受けます。
とりわけ大阪府は、IRカジノを誘致する府市IR推進局を、ギャンブル等依存症対策の担当部局とし、IR推進局が高校生向けリーフレットを作成しています。ギャンブル等依存症を作り出すIRカジノ推進部局が、ギャンブル等依存症予防のリーフレットを作成しています。まるでマッチポンプを絵に描いたような図式です。
もちろん、問題はリーフレットの内容です。
リーフレットの表題は「将来、ギャンブルにのめり込まないために」ですから、ギャンブル等依存症対策基本法第1条に明記されている「ギャンブル等依存症が・・・・多重債務、貧困、虐待、自殺、犯罪等の重大な社会問題を生じさせていること」を紹介すべきでしたが、ほとんど紹介していません。
リーフレットは、「ギャンブルってなに?~ギャンブルのしくみ~」との項目の中で「ギャンブルでは勝ち続けることもあれば、負けることもあります。『勝ち』は法則性がなく、偶然によるので予測できません」と書き、高校生にギャンブルへの幻想を持たせようとしました。
リーフレットは、「ギャンブルとの付き合い方」との項目の中で、「ギャンブルは、生活に問題が生じないよう金額と時間の限度を決めて、その範囲内で楽しむ娯楽です。」と紹介しました。
結局、リーフレットはIRカジノを誘致しようというIR推進局が、高校生にギャンブルへの期待を持たせるために作成・配布したものでした。行政の行為としては違法であり、税金のムダ使いです。
そこで私たちは、19年3月、大阪府知事と大阪市長を相手に、リーフレット作成につかった税金を弁償せよと大阪地方裁判所に提訴しました。ところが大阪地方裁判所は、20年9月大阪府市の言い分のみを認め、私たちの訴えを退けました。
地方裁判所の姿勢は、両方の言い分をよく聞き、法と正義に基づいて判断したものとは思えません。私たちは10月、大阪高等裁判所に控
訴しました。
ギャンブル等依存症予防を口実に、ギャンブルを推奨するのは許せません。私たちは、大阪高等裁判所に正義と道理を求めて、控訴しました。ご支援を心からお願いします。

控訴審第2回公判は3月3日(水)午後1時15分~(高裁別館7階73号法廷)


今年をカジノ廃止元年にしましょう 

れいわ新選組 構成員 (大阪五区=東淀川区、淀川区、西淀川区、此花区) 大石あきこ

大阪カジノに反対する市民の会のみなさま。
今年をカジノ廃止元年にしましょう。昨年は力強いカジノ阻止の取り組みをしてくださり、ありがとうございます。
昨秋の集会で「都構想を止めることはカジノを止めることにもつながる」と発言しました。そして大阪市民や広範な人々の力で、11月1日、大阪市廃止を止めることができました。2021年はカジノの息の根を止める年にしましょう。
その際、私が大事と考えているキーワードは「生産性のイデオロギーと闘う」ことです。
今の支配層のいう生産性(単純なお金の売り上げ)に基づくと、お金持ちとの商売がどうしても「生産性が高い」ことになってしまいます。カジノも「生産性が高い」と扱われて歓迎されてしまいます。
一方で庶民のための安価な飲食物や生活必需品、医療などは、どうしても「生産性が低く」なってしまいます。そして切り捨てられます。
でも、本当の意味での「生産性」があるのはどちらだと思いますか?どちらが切り捨てて良いものですか?
こういった本末転倒の社会に対して「生産性が高いのは良いことだ」と認めてしまったとき、どれだけ口ではカジノ反対と言っていても、色んな政党、政治家が最後はカジノ誘致に徹底抗戦しなくなるように思います。
私はこの「生産性」の悪魔に対抗する勢力が必要だと考えます。それは、生身の痛みを知る地域住民や、働く人こそが主人公だと確信しています。
議会の場においても、その痛みを感じ続けられる立場の政治家、政党の登場が必要です。私もその最先頭に立てるよう努力していきたいと考えております。
カジノ阻止。誰もが生きていたいと思える社会へ。みなさん、一緒にがんばりましょう。


大阪府知事に要望書を提出

本会は昨年末に、下記の要望書を府知事と大阪市長に提出しました。要望をもとに4月頃、府・市IR推進局と話し合いを持つ予定です。

大阪府知事 吉村洋文 様

2020年12月14日

大阪カジノに反対する市民の会 代表 西澤信善

カジノ誘致事業についての要望書

コロナ禍の厳しさが増す中で、貴職に置かれては職務にご精励のこと、心より敬意を表します。
さて、我々市民の会は、2018年より、大阪へのカジノ誘致に反対の運動を続けて参りました。カジノ事業の社会への悪影響を危惧する大多数の市民の反対の声を無視して、大阪府・市が他府県に先駆けてカジノ事業者選定の準備を進めてきていることに、強い憤りを感じているところであります。
特に、本年初頭から新型コロナウィルスの世界的蔓延という100年来の危機の渦中にあって、行政が総力をあげてこの危機に対処するべき非常時に、国際観光振興の本筋からも外れた本事業のような不確実・不健全・不要不急な投資を行うことは、度重なる湾岸部開発の無駄な投資に、さらなる無駄を加えるだけです。その上、逼迫した行財政をさらに悪化させ、将来、真に必要不可欠な財政支出を不可能にする誠に不適切な施策と断ぜざるを得ません。
本事業に進出が予想される海外の事業者側も、時下のパンデミックの影響により、事業そのものの収益性に関し見直しと再検討が必要となっており、行政側としても、この際一旦立ち止まって、誘致事業のメリット、デメリットを冷静に判断する時期に来ていると思われます。民営賭博の収益性と、賭博罪の阻却事由である公益性とは当然ながら背反の関係にあり、行政として十分の公益性を確認するのでなければ、そもそも本事業への行政の関与はあり得ません。
また、カジノ事業に関する、依存症や、金融犯罪等に対する予防措置の整備についても、人と財政上の措置が必要であり、今の時期にこのような作業に注力する余力が、大阪府・市にあるとは考えられません。以上の観点から、大阪府は下記の事項を真剣に検討されることを要望します。

(1)コロナ禍中でのカジノ誘致を含むIR推進事業を中止すること。
(2)民営賭博に関する違法性阻却事由を担保する収益性と公益性の関係を明らかにすること
(3)依存症、金融等犯罪、家庭崩壊、勤労放棄など健全な社会への悪影響を考慮に入れた、IR事業の地元経済への影響調査。
(4)誘致の可否に関する住民投票などによる市民の意思確認。
追 伸 本会は、同文の要望書を大阪市長にも送っています。大阪府・市の回答と、IR推進局との懇談を希望します。よろしくお願いします。